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WordPress の翻訳/翻訳スタイルガイド
このスタイルガイドは WordPress を日本語で快適に利用する環境を作るための翻訳者向けリソースです。
翻訳について何か不明なことがあれば、WordSlack にご登録の上、#translate チャンネルに参加してお気軽にお尋ねください。
目次
- 1 WordPress の文章スタイル
- 2 全角・半角、句読点、スペース
- 2.1 日本語の句読点には全角の「。」と「、」を使う
- 2.2 すべての英数字、符号、疑問符、感嘆符は半角文字を使う
- 2.3 数字は、慣習的に使われている場合を除いて、半角の算用数字 (1、2、3) を使う
- 2.4 数字を除く半角文字と全角文字の間には、半角文字1字分のスペースを入れる
- 2.5 丸括弧 ( ) の前後には、半角文字1文字分のスペースを入れる
- 2.6 丸括弧 ( ) の内側にはスペースを入れない
- 2.7 丸括弧 ( ) 内には句点は付けず、複数の文がある場合には各文の間にだけ句点を付ける
- 2.8 丸括弧が末尾にくる場合は、括弧の外に句点を付ける
- 2.9 半角数字の前後には半角スペースを入れない
- 3 括弧
- 4 訳語の統一
- 5 カタカナ語
- 6 ブランド、機能名
- 7 日付の翻訳
- 8 プレースホルダー
- 9 作成の経緯
WordPress の文章スタイル
WordPress プロジェクトでは、以下の執筆・翻訳指針に従うことを目指しています。
分かりやすさ: WordPress の翻訳は、技術者以外の人にも分かりやすくあるべきです。フレンドリーで明確、簡潔な能動態の文章になるようにしましょう。
独自性: 英語の原文のトーンを尊重しましょう。直訳をするのではなく、英文の意味や感情を伝えることに力を注いでください。ジョークや引用は、翻訳する言語の文化によっては通用しないかもしれません。そういった場合はその部分を削除したり他の言い回しに置き換えたりして意味が通じるようにするとよいでしょう。
現代的であること: 最新の技術用語や言語の進化についていくようにしましょう。時代遅れに見えないよう、現代的な用語やフレーズを使用してください。
全角・半角、句読点、スペース
日本語の句読点には全角の「。」と「、」を使う
すべての英数字、符号、疑問符、感嘆符は半角文字を使う
正: 準備をしましょう ! 誤: 準備をしましょう! (記号が全角)
数字は、慣習的に使われている場合を除いて、半角の算用数字 (1、2、3) を使う
正: バージョン5.5 正: 二次元コード
数字を除く半角文字と全角文字の間には、半角文字1字分のスペースを入れる
ただし例外として 『 』 「 」 。、の前後、コロン記号 (:) の前には入れない。 また、文字列最先頭のスペースも不要。
正: WordPress の使い方 正: ユーザー ID: username 正: こんにちは、username さん。 正: 準備ができましたか ?
誤: WordPressの使い方 (半角文字の後にスペースがない) 誤: ユーザー ID : username (コロン記号の前のスペースは不要) 誤: こんにちは、 username さん。 (、の後のスペースは不要) 誤: 準備ができましたか? (半角記号の前にスペースがない)
丸括弧 ( ) の前後には、半角文字1文字分のスペースを入れる
丸括弧は半角。
正: ユーザー username からのコメント (2010年5月10日12時30分) 。
丸括弧 ( ) の内側にはスペースを入れない
丸括弧 ( ) 内には句点は付けず、複数の文がある場合には各文の間にだけ句点を付ける
丸括弧が末尾にくる場合は、括弧の外に句点を付ける
半角数字の前後には半角スペースを入れない
正: 1件のコメント。
誤: 1 件のコメント。 (半角数字の後にスペースが入っている) 誤: 1件のコメント。 (全角数字)
括弧
原文が大文字で始まる単語で固有名詞を区別している部分については「」で囲む
原文で、メニュー項目やボタンラベルを括弧で囲まず大文字で始めることで固有名詞を区別している場合がある。日本語では大文字・小文字での差別化はできないので、鍵括弧を使う。
メニュー項目やボタンラベルは「」で囲む
“” (二重引用符) で囲まれた単語がドメイン名や関数名などの場合はそのまま、日本語の場合は「」を使う
正: 「ツール → 利用可能なページ」ページで "Press This" をインストールします。「Press This を開く」ボタンをクリックしてください。
<em> や <i> により日本語表示が斜体になってしまう場合は、「」などを使って強調性を表現する
場合によっては省略してもよい (例)。その際に "Warning: Missing tags from translation." というエラーが表示されたら、"Discard" リンクをクリックする。
訳語の統一
まずは一度、WordPress プロジェクト共通の用語集をチェックしてみるのをおすすめします。
既存の訳が存在するフレーズは、統一することが望ましいでしょう。翻訳している際に左のメタ情報下に出てくる "View original in consistency tool" リンクをクリックすれば、承認済み翻訳をチェックすることができます。
複数あってどれを選んで良いかわからない場合や、既存の訳が間違っていると思う場合は WordSlack の #translate チャンネルでお尋ねください。
自然な日本語になるよう、受動態はなるべく避ける
原語が受動態の場合も、可能な場合は「~されました。」ではなく「~しました。」などとする。
“View XX” という表現は基本的に「~を表示」に統一する
~を閲覧、~を見る、~を開く、~を参照、などは使わない。
“XX are (is) not allowed to…” は「~する権限がありません」に統一する
”Sorry, …” で始まるエラーメッセージは「すみません」とは訳さず、その部分を削除する
英語で “You” や “Your” とあっても、日本語にしたときに不自然な場合は「あなた」「あなたの」を入れない
できる限り「自分の」「お使いの」「独自の」などの、より自然な言い回しを使うか、省略する。
「下さい」 は「ください」、「全て」は「すべて」に統一する
カタカナ語
長音記号「−」は、長音を含めて4文字以下になる単語には付ける
5文字以上になる単語には付けない。
正: ユーザー、サーバー、コンパイラ、インストーラ、
合成語の場合は、各要素に対してこの考え方を適用する
正: ユーザーインタフェース
ただし、単語の末尾が er, ar, or, re, y, ew となるもののうち、日本語の末尾が拗音になるものや日本語で定着しているものには、例外として付ける。
正: コミュニティー、アーキテクチャー、アップローダー、コンピューター、エディター
ブランド、機能名
基本的に、用語集に従って一貫した名称を使用する。
- WordPress: WordPress は常に「WordPress」と表記し、翻訳や音訳はしない。
- 機能名: 用語集に従う。コア内の新しい用語は WordSlack の #translate チャンネルで話し合って確定する。
- テーマ名、プラグイン名: 例えば "Twenty Seventeen" などのテーマ名は翻訳しない。プラグイン名も同様に未翻訳のままにする。
日付の翻訳
WordPress は PHP の date フォーマットを使って日付の表示を翻訳できるようにしています。インターフェースの文字列を翻訳している際に、日付について書かれている部分が出てくるかもしれません。以下を参考にしてください。
-
m/d/Y g:i:s A
は01/15/2014 6:20:40 PM
に変換されます。 -
j F, Y @ G:i:s
は15 January, 2014 @ 18:20:40
に変換されます。
一般的な日時の表記方法および空白の取り方は以下のとおりとします。
- 2014年1月1日 (水)
- 2014年1月1日2:00 AM
プレースホルダー
プレースホルダーは翻訳する文章内で変数を置き換えるためのコードです。例えば、
A confirmation email was sent to %s.
という原文を
認証メールを %s へ送信しました。
と訳した場合、%s (文字列) は実際のメールアドレスと置き換えられて
認証メールを you@example.com へ送信しました。
のように表示されます。その他にも %d (数字)、%1$s、%2$s… (複数ある場合。順序を変えても正しく置き換わる) などがプレースホルダーとして使われます。プレースホルダーの数と種類が原文・翻訳間で異なることがないようにしましょう。
関連:
- Plugin Handbook / Internationalization / How to Internationalize Your Plugin > Variables
- Polyglots Handbook / Types of Messages
作成の経緯
このページは、Reiko Saito さんが Sun によるスタイルガイドをもとにオープンソースプロジェクトのドキュメント向けに作成された日本語スタイルガイドを基本としています。元々の PDF ファイルがリンク切れになってしまったため、アーカイブのリンクを以下に掲載します。
また、このページ全体の構成は WordPress.com 翻訳スタイルガイドを参考にしています。